こんにちは、村田です。
私たちの悩みや困り事の大半は人間関係に関わるものだと言われます。
そして、人間関係の悩みの中には、多かれ少なかれ「相手に伝えるべきことをどう伝えるか」という要素が含まれます。
人に何かをお願いする、という行為は、まさに人間関係の基本的な要素の一つですよね。
今回は、お願いの仕方にどんな方法があるのか、そして、あなたが無意識に使っている「伝え方のクセ」を知るヒントを提供したいと思います。
音声で聞きたい方は、スタンドエフエムでお話しているので、こちらからお聴きください。
お願いの仕方の「5つのカテゴリー」
人の「お願いの仕方」には意外とクセがあり、そのクセが相手との関係性に影響を与えます。
今回は、心理学者のRuleたち(1985年)が行った、「願望達成のための15の法略」をまとめた研究を参考に、お願いの仕方を5つのカテゴリーに分類してご紹介します。
このカテゴリーは、相手への強制力が「弱いもの」から「強いもの」へと順に並べられています。
| カテゴリー | 強制力 | 特徴 |
| 1. 依頼 | 弱い | シンプルに「お願い」として伝える |
| 2. 自己思考 | やや弱い | 自分の理由や事情を説明して理解を求める |
| 3. 両者思考 | 中間 | 関係性を持ち出し、お互いのメリットを軸に伝える |
| 4. 社会的原理 | やや強い | 社会規範、道徳、常識を根拠に訴える |
| 5. 最終手段 | 強い | 感情的になったり、批判や脅しを用いる |
具体的な「お願いの例文」
パートナーが待ち合わせに遅刻した際に、「次は時間通りに来てほしい」と伝える例で、それぞれのカテゴリーを見てみましょう。
1. 依頼
- 「次は時間通りに来てくれると助かるな」
- シンプルで一般的な、最も使いやすい伝え方です。
2. 自己思考
- 「私、待ってる間に不安になっちゃうから、ちゃんと約束通りに来てほしい」
- 「今日は予定が詰まっているから、時間通りに来てもらえたら助かるな」
- 自分の事情を伝え、相手に理解を求めます。
3. 両者思考
- 「お互い気持ちよく過ごしたいから、次はちゃんと時間に来てね」
- 関係性の大切さを軸にし、「私たち」にとって良い状態を強調して伝えます。
4. 社会的原理
- 「時間を守るって基本的なマナーじゃない?」
- 「約束守るのって大事なことだよ」
- 社会規範や常識といった「みんなにとって正しいこと」を根拠にします。
5. 最終手段
- 「いい加減にして!」
- 「遅れるんだったらもう合わない(別れる)」
- 「なんでいつもちゃんとしてくれないの?」
- 感情を爆発させたり、批判、脅し、関係性の破綻を示唆する強い言い方です。
- 注意点: 短期的には効果があるかもしれませんが、関係性にはダメージが残りやすいと言われています。

無言の圧力は?
「ため息をつく」「冷たい態度を取る」といった非言語的な行動(無言の圧力)は、相手に罪悪感や不安を使わせるため、今回の分類では「最終手段」に近い、強制力の強いやり方と見なすことができます。
なぜ「最終手段」を選んでしまうのか?
あなたは5つのカテゴリーの中で、どのやり方を取りやすいと感じましたか?
意識とは裏腹に、つい強制力の強い「最終手段」を使ってしまうという人も少なくありません。その背景には、主に以下の理由が考えられます。
- 過去に成功体験がある
- 怒ったり、不機嫌になったり、泣いたりすることで、過去に周りが動いてくれた経験があると、それが習慣になってしまいがちです。
- 精神的な余裕がない
- 自分が不安や疲労で余裕がない時、感情が制御できずに強い法略に流されやすくなります。
- 自分の気持ちを伝えるのが苦手
- 「本当はこうしてくれたら嬉しい」という気持ちをうまく言葉にできず、先に怒りという形で感情をぶつけてしまうパターンです。
コミュニケーションの幅を広げる
もちろん、「最終手段が常にダメ」というわけではありませんが、大切なのは使い分けです。
「依頼」や「自己思考」で伝えられることもあれば、時には「両者思考」で関係性を軸に伝える方が、お互いにとって良い結果をもたらすこともあります。
「こんな伝え方もあるんだな」と、ご自身のコミュニケーションの幅を広げるヒントとして、今回ご紹介した5つのカテゴリーを参考にしてみてください。
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