自分をエンパワメントする(力づける)もの

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子育てで気づくこと

子どもが生まれてから、それまで気づかなかった色々なことに気がつくようになりました。
外の世界の段差の多さだったり、子育て世帯への風当たりの強さ、スーパーに売っている小さいヨーグルトやお豆腐の必要性・・・

そして、絵本の存在もその一つ。
世界にはたくさんの絵本が売られていますが、なかでもボードブックと言われる、1ページ1ページが固い絵本。
主に0歳1歳2歳向けになっていて、仰向けでも読みやすく、力加減がわからない赤ちゃんでも簡単に破られないようになっています。

仕方がないとはいえ、せっかく選んで買った絵本が破られるのはつらい・・・
固くてはっきりした絵が描いてあるボードブックは、おおげさかもしれませんが、結構心の支えになっています。

そんなこんなで、本屋さんの絵本コーナーに行く機会が増えました。
そして先日、梅田の丸善ジュンク堂に立ち寄った際に、とても素敵な絵本を見つけたのでご紹介します。

ボードブックの伝記絵本

英語の本なのですが、タイトルは「WHO IS RUTH BADER GINSBURG?(ルース・ベイダー・ギンズバーグって誰?)」です。

その名の通り、ルースという女性についての内容で、生い立ちや弁護士としてのキャリアについて書かれています。
2020年に亡くなったのですが、彼女の大きな功績の一つは、当時のアメリカの法律の中にある男女差別の撤廃に尽力したことでしょう。
憲法には「法の下の平等」が謳われているにもかかわらず、実際には、女性にとっても、そして男性にとっても不利益となるような法律は多くありました。
彼女は憲法を逆手に、用意周到に裁判の準備を行い、多くの勝訴を勝ち取りました。

彼女については、伝記映画である「ビリーブ 未来への大逆転(原題:「On the Basis of Sex」)」やドキュメンタリー映画の「RBG 最強の85才(原題:「RBG」)」が公開されているので、気になる方はぜひ観てみてください。

さて、この本を見て胸が躍ったのは、私がルースのファンだから、というのもあるのですが、それがボードブックになっている、という点です。

この本の裏側には、「最も若いフェミニストのための 魅力的で、力を与えてくれるボードブックの伝記」と書かれています!
「最も若いフェミニストのための」「魅力的」「力を与えてくれる」、3つの単語のどれもが素晴らしく感激なのですが、きちんと子どもに適した形になっていて、「自分が読むものなんだ」ということが伝わると思います。

「世の中が男女平等かどうかなんてまだ知らなくていいよ」ということではなく、世の中には不平等な点があるけど、こうして活躍した人がいるんだよ、ということが、子ども向けの本として作成されていることがとっても嬉しく思いました。
少なくとも、伝記の絵本に(しかも女性の!)私はあまり触れたことがありませんでした。

さすがに2歳までにこの本を読むことは難しいと思うのですが、いつか気になる様子がみられたら内容について教えてあげようと思います。

意外ではあったのですが、表紙の人の部分が開くようになっているので、9ヶ月の息子でも本棚から引っ張り出してパタパタと遊んでいました。

気が滅入る状況におけるエンパワメント

ジェンダーやフェミニズムについて勉強した始めたとき、うんざりするようなことばかりで、知れば知るほど、日本はこれからどうなるのか?子どもはこの世で楽しく過ごしていけるだろうか?力を伸ばしていけるだろうか?という気持ちになりました。

ジェンダーギャップ指数は発表されるたびに「またか・・・」という気持ちになるし、SNSでは性差別的な、そして性加害的な言葉もたくさん飛び交っています。
これらは私にとって「見なければいい」というものでもなく、自分の子どもを守るためにも知っておかなければならないと思っています。

しかし、勉強しているうちに、例えば「女性の議員が少ない」というような内容を聞くことが多くなると、それが普通になって、何かしようという気持ちにはなりにくいことを知りました(出典を忘れてしまいました…。思い出したら追記します)。

確かに、こうした情報を知っておくことは大切ですが、次の行動につながるような、エンパワー(力づける、勇気づける)してくれるものではありません。
女性(自分が所属するグループの人)が少ないということは、そこにいることが望まれていないということだ、立候補はやめておこう、と思うことは当然のようにも思います。

その反面、この絵本は、母親が彼女に伝えたことや、ルース自身が学校で感じた不平等、社会のために奮闘したことが簡潔に書かれており、そして何よりもどんな小さい子でも読めるように、わざわざボードブックにしてあり、「こんな女性がいたんだよ」「変えることはできるかもしれないよ」ということを教えてくれるようで、とても安心感をもらいました。
「誰かが自分たちのためにがんばってくれている」と知ることは、とてもエンパワーされるものです。

私は、出演者が男性ばかりのテレビ番組を見たり、女性が被害に遭うようなニュースを聞いて元気がなくなると、Netflixでルースの映画を見たり、最近は「グロリア・オールレッド」というこれも伝記映画を見て自分を鼓舞しています。

あなたは、自分をエンパワーしてくれるものは何かありますか?
時間があるときに考えてみるといいかもしれませんね。

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