生きづらさはどこにある?ジェンダーについて

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こんにちは。

とっても久しぶりのブログになってしまいました。
もう梅雨に入ってしまいましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

最近、地域の男女共同参画センターと少し関わったり、ポッドキャストでジェンダーに関するものを聞いたりしていました。

ジェンダーに関しては、ここ数年興味を持って勉強していたんですが、特にいまは性別に基づいて社会から期待される役割、ジェンダーロールや性役割と言われるところに焦点を当てています。

そうしたジェンダーに興味を持って活動したり発信したりしている人は、どちらかというと女性のほうが多いのかな、という印象ですが、その中でよく出てくるエピソードがあります。

それは、身体的に女性で、小さいときに男勝りでおてんばで、クラスの男子よりも体が大きかったから「おとこおんな」と言われたり、スカートに対して抵抗感があったり、フリフリよりも動きやすい服が着たいと思ってもそれが許されなかったり、というものです。

単純に「なんでだろう」、「別にいいじゃんか」、と思って今まで聞いていました。
でも最近さらに勉強をして、そうしたジェンダーに関連した性格特性や外見は、実は女性よりも男性に厳格に定義づけられている(決められている)、ということを知りました。

つまり、女の子が「ズボンがいい」と言うよりも、男の子が「スカートがいい」と言うほうが変な目で見られたり、強く反対される、ということです。

それもなんか変な話ですよね。

こうしたことがなぜ起こるのか、ということについては、2つの仮説が考えられているようです。
1つは、ジェンダー役割に反する人は、特に男性のほうが同性愛者に見られやすいから、というもの。
そしてもう1つは、男性のジェンダー役割のほうが、女性のジェンダー役割よりも地位が高いから、というものです。

小さいときのジェンダー役割というのは、例えば女の子は人形で遊んでおとなしくて、男の子は車で遊んで活発で、というかんじでしょうか。
成人すると、男性は強く独立していて、たくさん稼いで、高い地位についている。女性は、受容的で家事育児などのケア労働や、男性の下につくような仕事をしている。

「今時そんなの変化してきているでしょ」と思っても、これらは決して過去の価値観ではなく、現在も確実に生きているし、私たちの意識のどこかに影響を与えているのではないかと思います。

女性は今まで、そうしたジェンダー役割の抑圧から逃れる、という文脈で語られることが多かったように思います。
先ほどの仮説の2つ目とも関連しますが、女性が女性のジェンダー役割から逃れることは、例えば職場で地位が上がることにつながるかもしれないし、「今まで強いられてきたこと」から逃れる、という意味が含まれているように思います。

一方で、男性がジェンダー役割に反するということは、今ある地位を降りる、どちらかというと弱い存在になる、というイメージが強いかもしれません。

実際には、家事育児に取り組む男性は増えているし、今の日本では、男性だからといって以前ほど明確に女性より稼げる、ということもないかもしれません。
反対に(?)、高い地位でたくさん稼いでいる女性も多くいるでしょう。

こうした現実があっても、ジェンダー役割からは簡単に逃れられないし、そのことが男性も女性も、生きづらさにつながっている部分がたくさんあるんじゃないかなあ、と思ったりします。

また、こうした話をするときに、男と女の二元論で語ってしまうのも本当によくないよなあ、と思ってもいます。
もっと適切な切り口だったり、議論の仕方もあるのではないか、と日々考えています。

なお、先ほど紹介した仮説の1について。
例えば女性的な振る舞いをする男性がゲイだと思われたり、男性的な振る舞いをする女性がレズビアンだと思われたりする。
そして、男性のそうした行動のほうが同性愛とより強く結びついていて、そう思われたくないから「男らしさ」を持ち続けないといけない、そこから降りられない、というのは、大変な生きづらさでもありますよね。

同性愛への恐怖や嫌悪感は「ホモフォビア(同性愛嫌悪)」と呼ばれます。
他人に対して、自分の大切な人に対してそう思ってしまう場合、自分のなかのホモフォビアと向き合うことが必要かもしれません。

ジェンダーに関しては書きたいことも考えたいことも山ほどあってどこまでも長くなりそうなのですが、今回はこのあたりで終わります。

なお、今後ジェンダーや生きづらさについて共有する場、お話しする機会を設けたいと思っています。
もし興味がある人がおられましたら、以下のフォームからご連絡いただけたら嬉しいです。
一緒に考えたい、話したい心理士さんも同様に募集しています。
ぜひお気軽にご連絡ください。

ジェンダーについて話しませんか?フォーム

(参考)R.K. アンガー(著)女性とジェンダーの心理学ハンドブック、北大路書房、2004

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