自信のなさについて:心の基本的人権

メンタルケア

こんにちは。
早くも9月に入り、少しずつ過ごしやすい日も増えてきましたね。

久しぶりのブログのテーマは「自信のなさ」についてです。
よく、自信がない、自信をつけたい、自尊感情が低い、自己肯定感が低い、なんて言ったり聞いたりしますよね。
「自信がない」って、どういうことなんでしょうか?

よくある記事のように、こうすれば自信がつく、自尊心を高める○個の方法!とか、そういった内容ではないのですが、今回は「自信がない」ということについて考えてみたいと思います。

「自信がない」って、どのようなときに使いますか?

例えば・・・

  • 今日の服が変じゃないか
  • 勉強や発表の準備が不十分じゃないか
  • 自分が考えたものより、もっといいアイデアや決定があったんじゃないか
  • 相手の人は自分を見下してるんじゃないか

と考えるような場面でしょうか?
こうした考えの背後には

  • 人からどう思われるんだろうか、変に思われたらいやだ
  • 何事も完璧にしないといけない
  • 100%考え尽くしてからじゃないとダメだ、そうじゃないとダメ人間だと思われる
  • 自分に至らないところがあるから見下されても仕方ない

というような思考(認知)があるかもしれません。

そんなときに、知っていると少し心が軽くなる(かもしれない)「心の基本的人権」について紹介します。
今回は10条紹介しますが、自分で必要なものを付け加えてもよいと川喜田は言っています。

私が初めてこれについて読んだのは、もう数年前になるのですが、そのときに感銘を受けたというか、はっとさせられたんです。

私自身も、正直、自分が考えることについて自信がもてないときがあります。
私が感じたこれって、おかしいのかな?皆はそうじゃないの?と。
自分が「感じた」ことなのだから、それがすべてで、誰かに何か言われる筋合いはないのですが、どうしてもそう思う自分がいる。
そんなときに、「心の基本的人権」について思い出すと、少し心が軽くなるかもしれません。

「心の基本的人権」とは、人間であれば誰でも自分自身に対して持っていていい考え方や心のあり方を指しています。

第1条 自分自身である権利:人と違っている権利
 自分は自分として価値がある。人と違っていてもいい。
第2条 自己表現する権利
 自分の能力を発揮したり、人に認められたりしてもよい。他の人がそうしないからといって、自分を抑える必要はない。
第3条 気持ちや決定を変更する権利
 時間や環境の変化とともに、自分の考えや気持ちは変わるもの。成長するということは、変化をともなう。
第4条 ありのままの感情を感じ取る権利
 感情に正しい感情・まちがった感情、良い感情・悪い感情はなく、感情を合理化したり、正当化する必要はない。
第5条 不完全である権利
 いつも完璧を目指さなくてもいい。最後までやりとげられないこともある。
第6条 責任を取らない権利
 自分に取れる責任と、そうでない責任がある。取ってはいけない責任もあることを知ることも大切。
第7条 まちがいや失敗をする権利。またその責任を取る権利
第8条 ノーを言う権利
第9条 行動を起こす権利
 自分からほしいものを求めたり、やりたいことを試みることができる。いつも人の善意や好意、協力を持つ必要はない。
第10条 選択する権利

(引用)川喜田好恵『新版 自分でできるカウンセリング 女性のためのメンタル・トレーニング』より

さて、上記の権利を読んでどんなことを感じられたでしょうか?

当たり前すぎて何を改めて?ということもあるかと思いますし、え?本当に?と思われる人もいるかもしれません。

例えば6条の「責任を取らない権利」ですが、自分に取れる責任とそうでない責任とはどのようなものでしょうか。
自分が寝坊して仕事に遅れそうな場合、出発前の準備をいくらかスキップしたり、遅刻する場合にどうするかは職場と自分とのやり取りで決めることができます。
一方で、家族の誰かが寝坊しそうな場合、妻や母親は自分が起こさなかったことを責める気持ちがわいてくるかもしれません。でも、仕事に間に合うように起きたり準備をしたりするのは、本人の責任であり、妻や母親に責任はありませんし、責任はとれません。
本人が成人している場合は、起きれるように対策をしたり、寝坊したときの嫌な気持ちを味わったり、職場に連絡したりといった経験をすることも必要なことかもしれません。


心の基本的人権の重要な点は、これらの権利を自分に認めると同時に、相手も同じように権利を持っていると認めることです。
例えば子どもが何かに失敗して悲しんでいるとき、思わず「悲しくないよ!大丈夫」「こんなことで悲しまない!」と言ってしまうことってないでしょうか?
自分の悲しみをそのまま認めてあげるように、子どもの悲しみもそのまま認めてあげるようにしましょう。

さて、冒頭に書いた「自信がない」というテーマですが、こうした感覚には様々な要素が絡まり合っていると思います。
「こんなこと思っていいのかな」といった感覚が伴っている場合には、「私には自分の気持ちを自由に感じる権利があるんだ!」「間違うことは誰だってある!」と思えると、少し気持ちがやわらぐかもしれません。

それでは今日は以上にします🌼


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